カテゴリ:読書日記( 2 )

「流れる」ー幸田 文

LAに出張の際は必ずといって立ち寄るGerdenaのBook Off。何気なしに買った本。
昭和32年に発行されたこの本では、戦後当時の寂寥感とデカダントが繊細且つ大胆に綴られている。なぜだか私はこの辺以前の女性作家の作品に強く惹かれる。近代ウーマンリブへのさしがかり・入り口の女性たちの気負いの中に見え隠れする慎ましさともどかしさがとても美しく思えるのだ。なんかいっつも芸者社会に惹かれるんだなぁ。主人公は一般家庭の子持ちバツイチ中年婦人。“素人さん”世界からきた彼女が、人にのぞかれたくないなんらかの暗い部分をもちながら、川向こうの“玄人さん”世界の芸者置屋で女中をする話し。裏世界の女達の人生を客観的に見ながら批判しつつも温かく見守る。
幸田文の繊細な目と描写力、人間の裏表・美しさ醜さが互いに旋律を奏でて美しいものに完成されていく。芸術作品である。
by hiromi_iuchi | 2007-12-04 01:37 | 読書日記

時差ぼけは読書の好機

今年はいっぱい日本往復しておるな〜
今回も例にもれず超のつく時差ぼけです。もうNYに戻ってきてそろそろ2週間たとうかというのに、夜眠れず本読みまくってます。
せっかくなので読書日記でもと思いたちました。

11月27日(火)
「星なんとか」林 真理子著
これって林真理子の自叙伝小説。あの人が若いときから不細工を自認しつつその不幸さを冷静に受け止めていく下りがすごいリアルで面白かった。たぶん彼女を知る第3者が彼女のことをつづると全然違う小説になるんだろうと思えるように匂わすところが巧妙。煩悩の赤裸々な告白がいやらしくなく読み終わったあとほのぼのとする。

11月26日(月)
「眠れる真珠」石田衣良 著
時差ぼけのため朝3時に目が覚め7時くらいに読み終えたのだが、その日一日なんだか気分が悪かった。
45歳の女流版画家が同年代のやり手画廊男と不倫した後17歳年下のイケメンと恋愛にはまっていくお話。これっていかにも中年女性購読のファッション誌に連載したらうけるって感じの表現が多すぎて”げっぷ”て感じだった。いちいち格好いいねんもん、着る服とか乗ってる車とか、仕事に打ち込むとか、でっかい犬とか、近所の美術館とか、画廊とか、カフェとか、ロイヤルミルクティーをダブルでとか、、ねらいすぎてナルシスト入りすぎ。そんで17歳したの映画監督志望の彼氏の未来のためにわざと身を引くとか、、おもんな〜い。
しかも最後はタヒチでご対面でハッピーエンドやって。おもんな〜い。
後、すごい嫌やったんが、17歳年下君にいちいち「私はおばさんだから、、」みたいな自虐的なセリフをはきまくり、彼はきっちり否定する。みたいな、。否定された後どう反応するつもり?とか。もうやめて〜
今週末に誕生日をひかえてまた一つトシをとる予定のあたしは、45歳って人ごとじゃね〜な、ってことで「人のふり見て我がふり直せ」とつぶやくのだった。
by hiromi_iuchi | 2007-11-28 08:35 | 読書日記