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NYで日本酒を営業する日々をつづる・・・・つもりがただの独り言日記に成り下がっているかも。


by hiromi_iuchi
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Taka Sushi 日本酒の奥深さを再発見 その1

このブログ、タイトルが「NYから日本酒便り」のくせに、ただのねーちゃんの日記やないかぁ!!ってことで酒のこと書きます。

NYシティの郊外、ロング・アイランドというエリア、ブルックリンから小1時間くらい車を走らせたところにあるこじんまりした寿司屋、「TAKA SUSHI」
去年9月に一時帰NYしていた弊社ぼし君が、挨拶ランチに行くというので同行した。
オーナーシェフで日本酒愛好家のTakaさんとは、2年前くらいの問屋主催試飲会にてお会いしたきりである。あの時、Takaさんに酒を勧めたのが私だったのだが、彼の発するコメントに「この人ただものでない」と思い、次から次から違う酒をすすめ、かれこれ1時間くらい接客したのを思い出す。
日本酒に詳しい人はたくさんいるが、本当に自分のスタイルをもって試飲できる人は数少ない。商売そっちのけの、ただこの人をうならせたい感で接客したっけ。

さてぼし君と初めてお店にお邪魔する。
昼間からカウンターでお任せコース。次々に出される酒のアテも美味しく、その合間にTakaさんが彼のとっておき日本酒を冷や、ぬる燗、熱燗で出してくれる。
あてを出すのと同じように自分の手元で燗をつけてくれて差し出される酒は全てとても美味しい。
この人は日本酒好きの常連客から調達した希少な銘柄や、自分が気に入っている銘柄を酒セラーで熟成させたり封をきったまま熟成させたり、その銘柄がどの状態で一番美味しく飲まれるかを研究している。
「酒は冷暗所で保管」とか「封を開けたらすぐ飲むべし」とかいうおきまりの常識を完全無視なのである。
なるほど、ある銘柄は封を開けて2ヶ月もたっているというもののほうが、今日開けたものより味がまるうくなっていたり、常温で半年おいたもののほうがそうでないものより味が深くなっていたり、、とそれぞれの銘柄で飲み時期が異なるのである。
それとなんでもお燗をつけたがる。
銘柄によって燗冷めのほうが美味しかったり、ぬる燗より熱燗にしたほうがバランスがよかったりもする。
日本酒の奥の深さを体験させてくれるのである。

毎日、値段や酒瓶の見た目を気にして、どれが安くてどれが格好いいなどを気にしながら営業し、その毎日に埋没しているあたしたちは、この日、日本酒の奥深さを思い出さされた。
とってもとっても嬉しそうに日本酒を味見しているTakaさんの笑顔と、奥の方に追いやっていた日本酒を楽しむという感覚が、ぎゅーっと私を襲ってきて、鼻の奥と目頭の途中あたりがツンとして涙が出てきそうになった。っていうか、ちょっと出た。

昼間っからカウンターで日本酒飲んで、泣いてる女っつーのもちょっと怖い感じなので、外に煙草を吸いに出てごまかした。ぼし君にはばれていたようだが・・

稀な日本酒が手元に集まったら日本酒好きの常連さんと集まって試飲会をする、というTakaさん。是非参加させてください、と言う。

TAKA SUSHI
821 Carman Ave
Westbury, NY 11590
(516) 876-0033‎
by hiromi_iuchi | 2009-01-31 02:08 | 営業日記